Re: お金の愛と三兄弟（後編） - 鈴生れい

2014/03/04 (Tue) 00:54:26

少し遅れましたが読ませていただきました。いざ読み始めると先が気になって仕方がなくなりました。松村さんの作品は個人的に好みの物が多いです。

毎回社会的なテーマを扱われていますが、今回はいつもにも増して重いテーマでしたね。どの人物の考え方も理解できるので、その人たち同士がぶつかり合うのが少し辛く感じました。うまく描けているのでは、と思います。
リズミカルであり、所々くすっと来る表現があって不必要に重くし過ぎない辺りが流石です。ストーリーの展開も緩急があって素晴らしいです。

一つ気になったのは、羽崎さんの扱いでしょうか。彼女の意見もまた世間から見れば一般的なものだと思うので、それをばっさりと捨て切ってしまうのは少し惜しいと思います。主人公たちと相対する考え方なので、確かに切ってしまった方がすっきりはすると思うのですが･･････。扱っているテーマが重いだけに、簡単に答えを出してしまうのはもったいない気がします。ただそこら辺は松村さんの裁量次第といったところでしょうか。
羽崎さんでもう一点、彼女が弟を遣って復讐に走る行動に若干違和感が。というよりもむしろそれまでが比較的常識よりの意見（と感じました）を持つ人なので、急に狂気じみた行動をとったことにどことなく作者の意図を感じます。個人的な感想ですが、参考にしていただければ。

なんだか批評の方が多くなってしまいましたが、全体として本当に面白い作品でした。いつ崩れ落ちるのか綱渡り的な感覚もあって引き込まれます。ありがとうございました。

･･････誤字はご愛嬌ですね（笑）