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胡蝶の夢の教訓 K URL

2014/02/08 (Sat) 23:21:07

 かつて荘周は夢の中で胡蝶となった。実に胡蝶であった。
 何の憂いもなく、心行くまで風に乗って舞い飛んだ。荘周であることは、全く忘れきっていた。
 しかし、目が覚めると、なんということか、彼は荘周であったのだ。
 そこに謎が残る。存在の謎だ。
 荘周が夢で胡蝶になったのであろうか。それとも胡蝶が夢で荘周になったのであろうか。
 この問いに答えを出すことは出来ない。そこで、ここからせめてもの教訓を引き出したい。
 彼がどうにかこうにか荘周でありえたのは、彼が胡蝶という、ぎりぎり夢見ることの出来る存在者を夢見たからである。 だからこそ、胡蝶の夢である彼は存在できる。
 我々が何かを夢を見るように、我々自身もまた何かに夢見られた存在なのだ。 我々は声であると同時に、木魂である。我々は光源であると同時に、影である。我々は鏡であると同時に鏡像であり、足であると同時に足跡である。
 もし彼が、夢を見ることの出来ない存在を夢見てしまえば、存在の大いなる鎖はそこで尽き、結果として、彼の危うい存在の足場も脆くも崩れてしまう。
 夢を見ることの出来る存在を夢見ること。これが我々存在の鎖の輪の一つに与えられた義務であり、存在の連なりに参加するための条件なのだ。

Re: 胡蝶の夢の教訓 - 御伽アリス

2014/02/18 (Tue) 22:20:31

胡蝶も夢を見る、というのがそれだけ見るとすごくロマンチックな気がしました。

我々は、できれば、価値のある夢でありたいですね。

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